コレステロールが高い人はヨーグルトを食べてはいけないのはなぜ? ―意外と知らない「乳製品と健康」の話

健康コラム

健康診断の結果を見て「コレステロール値が高めですね」と言われた経験がある方は少なくないかもしれません。そんなとき、真っ先に思い浮かぶのが「食生活の見直し」。油ものや揚げ物を控える、野菜を増やす、間食をやめるなど、努力を重ねる中で「ヨーグルトってどうなんだろう?」と疑問に思う方もいるでしょう。

ヨーグルトは、腸内環境を整える発酵食品として長年にわたって健康食のイメージを持たれています。しかし一部では「コレステロールが高い人はヨーグルトを控えるべき」との声も。いったいなぜでしょうか? その理由と、本当にヨーグルトが悪者なのかを探ってみましょう。


ヨーグルトのコレステロールへの影響とは?

まず、ヨーグルトに含まれる主な脂質は「飽和脂肪酸」です。これは動物性脂肪に多く含まれるもので、摂りすぎるとLDLコレステロール、いわゆる“悪玉コレステロール”の増加につながるとされています。

特に、**全脂肪タイプのヨーグルト(プレーンタイプでも成分無調整のもの)**には、意外に多くの脂肪が含まれていることがあります。100gあたり3g~5g程度の脂質が含まれており、その大部分が飽和脂肪酸。このようなヨーグルトを毎日大量に食べてしまうと、知らず知らずのうちに脂肪の摂取量が増え、コレステロール値に影響を与える可能性があります。


「食べてはいけない」は本当?

ただし、ここで注意したいのは、「ヨーグルト=体に悪い」というわけではないことです。むしろ、乳酸菌が腸内環境を整え、便通の改善や免疫機能のサポートにつながるなど、健康にうれしいメリットがたくさんあります。

また、最近では低脂肪タイプや無脂肪タイプのヨーグルトも多く販売されており、これらを選べば飽和脂肪酸の摂取を抑えることができます。加えて、ヨーグルトに含まれるカルシウムやたんぱく質も、健康を維持するためには欠かせない栄養素。上手に選び、適量を摂ることでむしろ健康的な食生活をサポートしてくれる存在なのです。


「脂質」だけでなく「糖分」にも注意

もうひとつ見落とされがちなのが、加糖タイプのヨーグルトに含まれる砂糖の量です。フルーツ味やデザート感覚のヨーグルトは、糖分が多く含まれており、これが中性脂肪や血糖値の上昇を招くことも。とくに脂質異常症やメタボリックシンドロームが心配な方は、糖質も要チェックです。

もし甘さが欲しいときは、自分でプレーンヨーグルトに少量の蜂蜜や果物を加えるなど、自然な甘みを工夫するのがおすすめです。


コレステロール対策としての「選び方」と「食べ方」

それでは、コレステロールが気になる方は、どのようにヨーグルトを取り入れるのが理想的なのでしょうか? 以下のポイントを意識してみましょう。

  1. 低脂肪・無脂肪タイプを選ぶ
     脂質の摂取を控えたい方には、無脂肪・低脂肪タイプがおすすめです。味に慣れるまで少し時間がかかるかもしれませんが、カロリーも控えめで安心です。
  2. 無糖タイプを選ぶ
     糖分の摂取を抑えるために、加糖されていないプレーンタイプを選びましょう。素材の味を楽しむことで味覚も研ぎ澄まされます。
  3. 食べる時間帯に気をつける
     朝食や間食として食べるのがおすすめ。夜遅くに食べると、脂肪として蓄積されやすくなるため注意が必要です。
  4. 量は1日100~200gを目安に
     過剰摂取は避け、適量を守ることが大切です。毎日少しずつ続けるのが健康習慣への近道です。

まとめ:ヨーグルトは「悪者」ではない

「コレステロールが高い人はヨーグルトを食べてはいけない」と言われる背景には、脂質(特に飽和脂肪酸)の摂取量が関係しています。しかし、正しく選び、適切に食べることで、ヨーグルトはむしろ健康をサポートしてくれる心強い味方になります。

つまり大切なのは、「何を」「どれだけ」食べるかということ。ラベルを確認し、自分の体と向き合いながら、上手にヨーグルトを取り入れていきましょう。

健康的な食生活は、小さな選択の積み重ねから。今日の一口が、明日の自分をつくる一歩になるかもしれません。


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